信仰 御法話

ほっぺをつついて不機嫌の法則を打ち破る(平成十八年八月十三日・お盆供養)

 前回、どういう話をしたかと申し上げますと、「和顔施」(わがんせ)の話をしたわけですね。少し 前ですけども、覚えておられるでしょうか、和顔施(わがんせ)。その和顔施(わがんせ)でどういうことが起こ ったか、その効果ですね、和顔施(わがんせ)の効果、それを初めに話してみたいと思います。
 当日「和顔施」(わがんせ)の話を終わった後で、いつものように一足先に、高燈籠にお参りをさせて頂いたわけであります。そして私がお参りを終わって下りてくる時に、上がってくる皆さん方とすれ違うわけですね。
 今までは、それまでは、どういう状態であったか、皆さん方を見てどのように私が感 じていたか、口には出さなかったですけどね。皆さん方ね、それまでですよ、足取りが 重いんですね(笑い)足取りが重くって、なんか、暗〜い雰囲気でトボトボと上がって こられるように見えてたわけです。
 例えて言うと、右手には、右手には貧乏神(びんぼうがみ)ね、 左手には厄病神(やくびょうがみ)(笑い)背中には、難儀(なんぎ)な悪因縁(あくいんねん)を いっぱい背負って、トボトボと上がってこられるような雰囲気がしていたわけです。普段は、そういう印象を受けてたのです。

 ところが、その「和顔施」(わがんせ)の話をした後で、 皆さん方が上がってくる様子を見て、私は腰を抜かすほど驚いた。 足取りがすごく軽い。お顔がイキイキと輝いている。
例えて言うと、右手には福の神…(笑い)、左手には恵比寿さん。
後ろは、大黒さんが後押しをしている。
ちょっと「和顔施」(わがんせ)を実践しただけで、ちょっと顔を にこやかにするだけで、様相は一変、激変してるわけですね。
これは本当なんですよ。 それだけの「和顔施」(わがんせ)「ニコニコする」 たったそれだけのことで、ものすごく効果がある ということが身に沁みて分かったわけです。

 えー、高燈籠自体もね、ちょっと前のことなので、皆さんもう忘れたかも知れないで すけれど、高燈籠自体も、ものすごく明るくなったんですよ。これは何でか言うとね、 その前日に、二十ワットの電球を四十ワットに換えた(笑い)そやから明るくなって、 当たり前なんです。けれどその電球のこともあるんですけれども、皆さんの笑顔で明る くなったんだと強く信じてるわけです。和顔施(わがんせ)の効果、恐るべき効果があるということ でありますね。これが一つ目の話です。

七福神

 次に、二番目の話として、今度は自分の体験を言うてみたいと思います。
 今から三十数年前のことですけども、結婚当初ですね。私は非常に憂鬱(ゆううつ)、 毎日が憂鬱(ゆううつ)だったんです。どうして、そんなに毎日が憂鬱だったかというと、 嫁さんの機嫌が、いっつも悪いんですね。(笑い)これは、私だけじゃない。

結婚されてる方は、みんな分かると思いますけれど、嫁さんは機嫌が悪い。
(笑い)これはね、夫婦だけじゃないです。親子でも、親子は仲が悪い。 兄弟いうたら他人の始まり。兄弟は仲が悪い。これはね、決まってるんです。(笑い)

 これを私は「不機嫌の法則」と名付けてる。(笑い) 日本中は、不機嫌に、 不機嫌の法則にドップリと首まで浸かってるんですね。日本だけじゃない、 世界中が不機嫌の法則、イスラエルとレバノンとかね、中国がどうとかね、 まあ、イラクがどうとか、みんな不機嫌。不機嫌の法則が世の中に蔓延(まんえん)してる んですね。これはだから私達夫婦だけのことじゃないんですよ。
 そこで私達はもう「やりきれんな!」と、毎日が。あっ、私がですね、
私が毎日、「嫁さんが、こんな不機嫌な嫁さんじゃ、かなわん! 何とかしたい!」 と、強く思いましてね、言うたんです。言うてしもうた。ある日、言うた。
「お前な、何でそんな不機嫌な顔や。何でいっつもそんなに愛想(あいそ)が悪いんや?」 しっぱい失敗やったですね、言うたんがね。(笑い)
百倍ぐらい返ってきたんです。(大爆笑)
『なに何言うてんの! あんたがいっつも不機嫌やから、私はほんとは機嫌がいい んやけど、あんたが不機嫌やから、私も不機嫌になるんやないの』 こう言うわけですね。
互い自分には点が甘い。相手には点がきび厳しい、辛いですね。

 そこで私もまあビックリしてね、「そうやったんか」、そこで、二人で 取り決めをした。もし、相手の顔を見て、不機嫌な顔をしとったら、 ほっぺたを突つく。(笑い) ほっぺたを突ついて、ニコニコせいと、 こう相手をニコニコを促す(うながす)、ってね、そういう取り決めをしたんです。
ね。嫁さんもそれを了承した。
 そこで、それからというものはね、ほっぺたの突つき合い。(大爆笑)
私もしょっちゅう、突つかれるのね。で、こっちもま負けてんで、つ突っつき 返すわけです。そうするとつ突つかれるのいやだからね、だんだんと気を付ける ようになりますね。不機嫌な顔をしないように気を付けるようになる。
 そうして三年た経ったんですね。三年。突つき合いしながら三年。
 そうするとある日、奇跡が起こったんですよ。恐るべき奇跡がね。
 ある日の朝、嫁さんがこっち見て、ニコッとわろ笑うとるんです。(大爆笑)
ありえないことなんですね。突ついてないよ、突ついてないのにわろ笑うとるんです。 そしてね、奇跡はまだ起こるんです。
 今度は私が嫁さんの顔を見てね、知らんまに微笑んでるんですね。(笑い)
ありえない。奥さんに微笑んだことのある御主人っておられます?(大爆笑)
あ、私、経験者だから分かるんだけどね、この近所の人なんかにはね、 愛想よく出来るんだけれども、奥さんにはできない。嫁さんには、絶対に 笑えないのね。(笑い) それは、皆さん、分かると思いますけれど。
 ところが嫁さんの顔を見て、自分が微笑んでる。奇跡ですね。
 これはどういうことがお起こったかというと、昔、心理学者だと思うんですが、学者が ね、「パブロフ」という科学者がおったんです。たぶん、「パブロフ」という名前だから、 ロシアかどこかの科学者だと思うんですけど、この人が犬を使って、ある実験をした。
それは犬にエサをやる前にベルを鳴らす。いっせつ一説によると、メトロノームだったという人 もおるんですけれど、ベルを鳴らす。「ジリジリ」と鳴らしてからエサをやる。しばらく、 そういうことを続けていると、やがて「ジリジリ」と鳴っただけで、 犬がよだれを出すようになる。何も関係ないですね。「ベルの音」と 「よだれ」とね。でも、犬は「ジリジリ」と鳴っただけで、 体が反応してよだれを流すようになるんですよ。
これが、「パブロフの条件反射の実験」いうてね、超有名な実験なんです。
 これと同じことは我々にも起こるのです。  例えば、「梅干」を見たら、よだれが出るでしょう?
これね、我々は梅干を食べて酸っぱいと知っとるからね、体が。
よだれなんか出すつもりはなくても、体が反応するんです。 ここで外人だったら、梅干食べたことのない外人だったら梅干見ても、よだれは出ない んですよ。ところが我々の場合、体が知っていてそれに反応するわけです。「条件反射」 というのがあるわけです。
 つまり、どういうことかというと、いつでも、嫁さんの顔見たら、突つかれて、わら笑っ てる間にね、突つかなくっても、嫁さんの顔に条件反射を起こして、勝手に笑っちゃう んですね。ウソじゃないんですよ。ええ加減な作り話を言うてると……、これ苦労して、 三年もかかったんですからね。(笑い)
「条件反射」いうのは恐るべきことであります。これはウソじゃない。例えば嫁さんが、 ボーっとしてる時なんかにね、パッと顔を出すとね、反射的にニコッとする。不思議で しょう? その代わり、私がボーっとしてる時、嫁さんがパッと顔を出したらね、反射的 にニコッとする。(笑い) これは本当です。「条件反射」というのは起こります。
 えー、話、急に忘れてしまって……(大爆笑)
えー、そういうことがあるわけですね。おそ恐るべきは「条件反射」ですね。
しかし、ほんとに機嫌が悪い時とかはね、顔を出してもニコッとしないです。これは、 そっちの方が強いんですけど、普通にしてる時は、「条件反射」というのは、すごく 働くわけです。
 このようにして、我々は、「不機嫌の法則」を一部破ったんです。これは破らなあかん のです。
世界中に、「不機嫌の法則」が蔓延(まんえん)している。生半可(なまはんか)なことでは、これは破れないです。
徹底して、私らは三年かかって、かなりの効果を上げたわけです。そしてその効果は、 三十年た経った今も続いてるんですよ。
 そやから、我々は夫婦でね、微笑み合うという、信じられないようなことがあるわけ ですね。考えられないでしょう?ね。これは、つまり、そうすると、ものすごく毎日が 楽しいわけですね。もう随分と、嫁さんの部分、悩みからは解放されるんですからね。 ほとんどの悩みが、嫁さんから来るわけですから。(大爆笑)
 皆さんも、まあ、これは一例ですね。

すべての人に当てはまるわけじゃないですが、うちは、そういうふうにして、「条件反射」 という方法を利用して、この「和顔施」(わがんせ)、「ニコニコ」で「不機嫌の法則」を打ち破った。 立派でしょう?(笑い)
 だから皆さんも自分に当てはまる方法を考えて、ともかく「ニコニコする」。「不機嫌の ほうそく法則」をう打ち破るっていうことは、とっても大事。これが二番目の話。

 そして、いよいよ、もう一つ、ついでに、ついでと言っちゃいかん。三番目に、一番 大事な話をしたいと思います。これが、今日の話のメインなんですね。
 人はみんな「望み」というものがありますね。ね。「皆さん方の望みは何ですか?」っ て尋ねたら、大概(たいがい)の人は、「健康」です。まあ、その次に「お金に不自由しないこと」。 まあ、この二つは、大概の人が言うんですね。三つ目ぐらいには、「よい人間関係に恵ま れたい」とかね。この三つぐらいが、まあ最大公約数(さいだいこうやくすう)というか、皆さんほとんどの人の 望みですね。若い人の場合はもう少し複雑で、いろんな望みがあって、「かっこいい彼が ほしい」とかね、「スタイルが良くなりたい」とかね、このー、難しい望みを言うんです けれども。
 まあ、皆さんの、だいたいの「望み」っていうものをまとめてみると、
「健康でありたい」
「お金に不自由しないようになりたい」そして、
「良い人間関係に恵まれたい」
この三つ、上位三つぐらいをえら選べば、そうなると思います。
 そこで、その三つを満たしている人はどれだけおるかというと、これは少ないんです ね。この中でも、「三つとも、わしゃ、当てはまる」っていう人、おられると思いますけ どね、もしか、おられたら手を上げて頂けます?
「健康、もう申し分無し」「お金もいっぱいある」「夫婦仲も、親子の仲も、近所も、みんな円満 である」っていうような人、いないですか?
 これは何でか? 何で、こう、たった三つの望みでも、なかなか、どうしてかな叶わない のか。
 まあ、おるかも知れないですね。おっても、遠慮して手を上げないかもしれないです けど、普通はなかなか、この三つの望みですらかな叶わない。
 何で、そんなたった三つですら望みはかな叶わないのか。  これは、ズバリ、核心を、解答を言いますと、魂がね、私達の内側にある魂が輝いて ないんですね。この輝きを邪魔するものがあるわけですね。我々の内側には、有難いこ とに、この宇宙の根源、何て言うていいのか、大親様(おおおやさま)と言うていいのか、根源と言うて いいのか、その宇宙「絶対」というものをね、この宇宙というのは、「絶対」から噴出(ふんしゅつ)し て、まあ、例えば、「ビッグバン」ですね、「絶対」から出来あがって、この「相対世界」 が出来た。その大元「絶対」に相当するもの、その分け御霊(わけみたま)が「魂」として、みんな、 有難いことに、もらっていると言われています。
 その魂、この宇宙を創られた「絶対」なんですから、どんなことでも出来るわけです ね。その分け御霊(わけみたま)を我々は戴いているんだから、どんな望みも叶うのが当たり前なわけ です。その魂が赫々(かっかく)と輝き出せば、望みは一として叶わざるはなしと言われていますね。 『一として叶わざるはなし。すべての望みは叶う』と。一つとして例外はないと言われ ているわけです。これはまあ当たり前のことで、この宇宙、この大宇宙を創るような力、 その力のあるものを、分け御霊(わけみたま)を、我々は全員、戴いているんだから、まあ、そんな、 三つぐらいの望みは、当然、手に入れることができるはずなのに、この魂を覆い隠して いるものがあるわけですね。
 それは何かって言うたら「心」、黒い心ですね。心が、我々の心は真っ黒け。どういう ふうに真っ黒けかというと、悩み、いろんな悩み、怒り、悲しみ、心配事、いろいろ ありますね。嫉妬とか、良くない欲、欲望とかね、いろいろありますね。数えればキリ がない。その悪い心、真っ黒けの心が魂を覆い隠しているから魂が働けない。
 そこで、魂を働かすためにはその黒い心を取り除けばいいのです。これは例えて言う と、お月様の前に黒い雲がかかっているようなもんですね。黒い雲があったら、後ろで お月様がなんぼ輝いても見ることができない。雲がスッとは晴れれば、お月様、煌煌(こうこう)とし た満月の光がとど届くわけですね。それと、全く一緒で、魂の赫々(かっかく)たる光を、心が、黒い心 が覆い隠しているので魂が働けない。望みも叶えさすことができないわけです。
 そうすると、話は簡単。その黒い心を取ればいいわけですね。どのようにして取るか。
 これはね「ニコニコ」で取るんです。ニコニコすれば、怒りも、心配事も、いろんな悩 み、嫉妬、悲しみ、そういうようなものは消えていく。全部、ニコニコで吹き飛ばすん です。ニコニコというのは、恐ろしい力があるわけです。こんな簡単なことなんですけ どね。
 これを今も言うたように、一番目に話をしたように、「和顔施」(わがんせ)の話を聴いてちょっと 実行しただけで、皆さんの様子がいっぺん一変していた。ちょっとニコニコしただけで、ガラッ と変わるわけですね。私らは、三年かけてニコニコするようになった。ニコニコして、 黒い心を吹き飛ばす、透明にしていく。そうすると、だんだんと魂の輝きが回復して くるわけですね。
 教語額(きょうごがく)に、『修行は総じて楽しくやるのが良い』というのがありますが、この「楽しい」 のは当たり前なんですよね。この「ニコニコ」の修行について言えば、楽しいんですよ。
効果が、もろに出てくる。
「常精進」(じょうしょうじん)というのがありますけども、ニコニコ、いつもニコニコしていると、もろに 良い結果が出てくるわけです。魂が少しずつ、雲が晴れて、魂が少しずつ輝き出す。 すると、今まで、うまくいってなかったことが、うまくいき出す。健康も少しずつ快復し てくる。効果があるわけですね。
 だから、「ニコニコの常精進」(じょうしょうじん)をすると、こんな簡単なことなんだけれども、効果は、 恐るべき効果があるわけです。
 えー、話は、ここまでです。
 一番目の話は、「和顔施」(わがんせ)、和顔施で、こんなすごい、一変するようなことが起こった。
 二番目は条件反射を利用して、私らはニコニコを身に付けた。
 三番目は、望みを叶えたいのであれば、というか、叶えたいからではないんだけれど も、この魂の周りを取り囲んでいる黒い心、それをニコニコで吹き飛ばして、魂を輝き させる。これが、すごく重要なことで、結果として、望みもすべ全て叶うようになってくる。

ニコニコ

 という大事な話、簡単ではあるんだけども、大事な話。 皆さんも、それぞれの状況、全部、違いますが、 ニコニコしようと思うても、主人が協力的でないとかね、 元々、独身やから主人がいないとかね。(笑い)
 まあ、いろんな条件は全部、違いますが、それぞれ、 自分で考えて、どういうふうにして、ニコニコしていったら いいのか。私らは、その「条件反射」っていうのを利用した。

これはね、強力ですよ。体が勝手に反応するんだからね。微笑もうなんて思わんでも、 顔が微笑むんですからね。これは一つのものすごく有力な武器です。それ以外にも、 何か工夫をすれば良い方法があるかもしれない。
 全員、どの人も、「不機嫌の法則」に、がんじがらめになってますからね。これはふり ほどかないとダメです。これをふりほどかない限りは、幸せは、来る時もあるけれど、 来ない時が多い。でも、「不機嫌の法則」を断ち切れば、もう幸せになるに決まっとるん ですね。
 是非とも今の話を参考にして、自分流の方法で、常精進(じょうしょうじん)に励んで頂きたいと思います。
この話をおみやげに持って帰ってもらって、幸せな人生を送って頂きたいと思います。
 御静聴、ご苦労さまでした。

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平成18年8月の御法話